「今、3合目くらいに来た所でしょうか」。
1月6日におこなわれた横山正人議長と主催する賀詞交換会のあいさつの中で、林市長がIR誘致を登山に例えて発言しました(神奈川新聞)。「厳しい言葉をいただいているが、市会で議論に議論を重ねて決めていくことが正しい(姿だ)と思う」との発言の後にそう続けたそうです。
年末には「広報よこはま」特別号が配布されました。中面に大きなイラストを用いて「IRは市民生活に彩りを与えます」という見出しとともに誘致する理由やIRによる効果などを謳っています。一方で、「市民の皆さまにご安心いただくために」と言うものの、“厳しい規制”や治安対策、青少年の健全育成などの懸念事項に対しては中身も具体性もない文言が並びます。
さて市長は、1月30日に開会した市会定例会に、2020年度当初予算案を提出しました。予算案には、カジノを含む統合型リゾート(IR)誘致の推進事業費として4億円が計上されています。
市民から不安の声が絶えないギャンブル依存症や治安悪化の対策について研究するための会議を新設する方針は示しているものの、予算のほとんどは、事業者の公募や選定、選ばれた事業者とともに政府に申請する「区域整備計画案」の策定(2億2000万円)、インフラや交通アクセスの対策等の検討・調査費(9500万円)、「広報よこはま特別号」の配布等(5500万円)に充てられます。
林市長が登り続けるIR誘致という「山」。このまま頂上を目指して登り続けてよいものなのか。次回よりシリーズで検証していきます。