2017年7月に国連会議で採択された核兵器禁止条約が、10月25日未明(日本時間)、ホンジュラスの批准により50カ国に達し、90日後の1月22日に発効することが確実となりました。
これは、「核兵器のない世界」を求め、人生をかけて核兵器禁止・廃絶を求め続けてきた広島・長崎の被爆者はじめ、日本と世界の市民と諸国政府の長年にわたる粘り強い連帯した運動による歴史的な到達であるといえます。横浜市従としてはこれまでも組合員の協力を得ながら「ヒバクシャ国際署名」など核兵器廃絶を願う取り組みを進めてきた経過があり、核兵器禁止条約の発効確定を心から歓迎します。
しかし、加藤勝信官房長官は26日の記者会見で、条約参加を拒否する立場を変わらず表明しています。「核兵器国のみならず、非核兵器国からの支持にも十分な広がりがあるのか」と疑問を呈した上で、「安全保障環境が一層厳しさを増す中で、抑止力の維持、強化を含めた現在の安全保障上の脅威に対処をしながら、核軍縮を前進させることが適切だ。わが国のアプローチとは異なるので署名しない。」と明言しました。
日本政府は条約参加に否定的ですが、この条約の発効によって、条約への参加・不参加に関わらず核保有国とそれに追随する国々は国際規範に反する存在となり、国際社会での孤立が深まる上、人道的な責任も免れません。唯一の戦争被爆国である日本政府こそ核兵器への依存から脱し、世界で連帯して政治を動かしていくことが必要ではないでしょうか。
横浜市は第二次世界大戦の横浜大空襲での尊い命の犠牲を忘れずに国際平和を推進し、国連から「ピースメッセンジャー都市」の称号を授与されています。また、市会では「市民の総意として、核兵器のない世界の実現を強く求めるものである」とする「核兵器のない世界の実現を強く求める決議」が採択され、林文子市長が「ヒバクシャ国際署名」に賛同しています。しかしながら、「日本政府に核兵器禁止条約への参加・署名・批准を求める意見書決議」に関しては、未だ採択されておらず、国際平和を推進する都市としての在り方に疑問を持たざるを得ません。横浜市は、すみやかに同意見書に決議し日本政府に核兵器禁止条約の批准を求め、市民の平和を守るための取り組みの強化をしていくべきです。
私たちは、日本の完全独立と世界の恒久平和実現のたたかいを綱領的任務とする自治体労働組合として、この条約発効を力に、核兵器の使用がもたらした環境汚染や人類と生命への長期的脅威を今一度振り返り、核兵器禁止・廃絶を求める国内外の世論をいっそう高めるために全力を尽くします。あらためて、日本政府と核兵器国に批准を強く求めます。
以上、決議します。
2020年11月5日
横浜市従業員労働組合
第4回中央闘争委員会