活動を行うためには、要求をまとめたり、候補者選考の経過と結果を組合員に伝えたりすることが必要です。これらの活動は、組合として活動をするために必要不可欠な組織内部行為です。
告示後も公職選挙法の適用を受ける「選挙運動」には該当しません。したがって、規制の対象になりません。このことは、行政実例や判例によって確立しています。
対して、専ら当局の立場に立って遂行すべき職務を担当する職員、いわば職そのものが公権力と一体であるような管理職的地位にある責任職、中でも幹部職員ほど、公選法と地公法そして政治資金規正法による規制を受けているのです。
たとえば、2005年11月、横浜市の副市長全員と局長3人を含む14人の幹部職員が発起人となり、市長も参加して政治資金パーティーが開催されました。町田市長選挙への出馬を予定していた元港北区長を激励する政治資金パーティーです。このパーティーへの参加と資金の拠出を求めるために地位を利用した幹部職員と元港北区長に対して、横浜簡易裁判所は、罰金30万円の略式命令を出したことが報じられました。
法律・制度を理解して運動を進めよう
選挙が近づくと職員に向けて出される通達を拡大解釈し、正当な権利と活動の自由が制限されているかのように拡大解釈することは間違いです。広範な住民の中に共感を広げ、労働組合として要求実現をめざしましょう。
同時に、公平・公正に業務を行っている一般職員の誇りを傷つけるような行為、職員が培ってきた住民の信頼を損なうような触法・不適切な行為が幹部職員によって行われることがないように、しっかりと市民世論と共同して監視することが重要です。