23春闘 ストライキを軸に転換すすむか

 2023春闘は物価高騰下の闘いとなっています。焦点は、世界でも異例な実質賃金低下の打開へ向けたベクトルの転換です。3月中旬の先行回答で「力」を背景にベア3%台の実質賃金確保ができるかどうかが分水嶺(れい)となります。

政労使で賃上げ一致?

 横浜市従業員労働組合も参加する全労連・国民春闘共闘は24年ぶりに3万円以上の賃上げ要求を掲げました。

 物価高騰で情勢が近年とは大きく異なっています。昨年、物価は3%上昇し、実質賃金は0・9%減と先進国では日本のみがマイナスに転落。逆に大企業の内部留保はコロナ禍でも過去最高に増大し、ゆがみは拡大しています。

3月9日にストライキ

 全労連・国民春闘共闘は、先行回答を重視し、大企業ホワイトカラーを中核とする連合大手より1週間早い3月8日を集中回答日とし、翌9日にストライキを配置します。10日には先行回答を記者会見で公表します。波及拡大で春闘のバージョンアップする挑戦です。

春闘の課題には最低賃金も。全労連の黒澤幸一事務局長「若者が働いても自立できない賃金は、その国の人権水準と国力を示している」

 公務員組合は、1974年の狂乱物価の際の人事院2回勧告から49年ぶりの物価高騰に対する暫定勧告を求めて要請に取り組みます。

欧米並みの賃金と闘争を

 財界は、経団連が「賃上げは企業の社会的責任」と言うものの、23春闘を「わが国の労使関係の試金石となる」とも言い、集団的な労働争議のうち「ストライキ」は大きく減少と、異例のけん制を行っています。

 米国、英国、ドイツなど欧米諸国の労組は連続ストを行い、物価を上回る賃上げを勝ち取っています。日本もストライキの「力」による運動へ転換し、欧米並みの賃金水準を実現せねばなりません。

 全労連は、組合の真価発揮へ全国でストライキを実施する予定です。