会計年度任用職員の賃金 「まだまだこれから変えていける」

 会計年度任用職員の賃金改定を正職員と同様に今年度4月にさかのぼると明言した地方自治体が3割にとどまることが、緊急調査で分かりました。約半数が様子見。国が予算措置も講じているのに、煮え切らない自治体の姿勢に、長年の人件費削減の爪痕を見る思いがします。

 会計年度任用職員の賃金改定を、正職員と同様に4月にさかのぼって支給すると答えた自治体は30・3%――。全国組織・自治労連(日本自治体労働組合総連合)が11月15日、緊急調査の結果を公表した。

 調査は10月27日~11月8日、地方組織を通じて提案状況を調べた。全自治体の約1割に当たる212自治体から回答を得た。

 調査では、会計年度任用職員の賃金改定について、正職員に準じ4月にさかのぼって行うと答えた自治体は30・3%。「翌年度から改定」が17・5%で、「改定しない」も3・8%ある。一方、「未定」が45・5%と圧倒的多数が様子見をしていることも分かった。ほとんどの自治体で交渉・協議は継続しているという。

嶋林弘一賃金権利局長は「まだまだこれから変えていける」

 自治労連の橋口剛典書記長は同日、都内で開いた会見で、「隣で働く正職員の若者は賃金が上がるのに、また、隣の市役所は上がるのに、会計年度任用職員は上がらない、という格差が生じる。そのうえ2年に及ぶ物価高で、最低賃金すれすれで働いている。それなのに4月遡及をしないという冷たい対応をするというのは信じられない。当事者の方々はぜひ労働組合に入って声を上げてほしい」と語った。