【第245山】本牧見晴らし山(40m)など(神奈川県)港ヨコハマ山巡り

 昨今、「地球の歩き方横浜市」でリサーチが係っている。それならちょっと便乗して、街中にこだわりの「山」コースを紹介したい。横浜の港湾エリアの南側には丘陵帯が広がる。山手・本牧・根岸といったハマの核心部も、建物を剥いだ原初の地形は山と谷の連続だ。ならば一帯を山地として捉えた上で、山々を巡れるではないか。

 スタートは根岸駅。すぐ北側には山の壁が連なる。いきなりの山地形、階段と急坂を登っていくと平らに開け、根岸森林公園に至る。元は根岸競馬場、我が国の近代競馬発祥の地であり、戦後に米軍に接収されたが、1977年に返還され、ゴルフ場の名残の広大な芝生が広がる。一段高いドーナツ広場を本日最初の山頂としよう。一角には展望台もあり富士山が見える。

本牧見晴らし山のピーク

 公園をぐるり一周したら、東方の本牧山頂公園を目指す。標識のない分岐が多いが、山を下ってしまわないように歩いていくと、公園の西端に着く。整備の行き届いた長大な公園だが、観光客はもとより、横浜市民にもあまり知られておらず、静かで穴場的な存在である。ここは樹がいい。「この木なんの木、気になる木」的な、1本だけで絵になる木が林立。そして中央に名のある山がある。ズバリ「見晴らし山」と言い、ベイブリッジや富士山が一望。特筆すべきは車椅子でも上がれるバリアフリーのピークであることだ。

 一旦、本牧に下る。かつてのマイカル本牧、バブルの跡地の建物群に何を思うか。そのまま主要道沿いに北進、ワシン坂を登れば山手地区、観光ヨコハマのメッカが展開する。ここにはフランス山、アメリカ山、イタリア山の三山がある。山頂らしさはないが、「山」の名門には違いない。山頂は各自でここだと決めて、それぞれの個性を楽しもう。ラストのイタリア山は庭園が見事で眺めもよく、本日の締めくくりに相応しい。

 これで5山を制覇。物足りない人は桜木町まで歩き、掃部山と野毛山をゲットすれば、都合7山、充実度が上がること請け合いだ。山をテーマとして歩いてみれば、普段とは違った感覚で違った風景が見えるはず。残念ながら、地球の歩き方への採用はないだろうけれども。

◆おすすめコース
 根岸駅─根岸森林公園─本牧山頂公園─石川町駅(3時間:初級向け)
◆参考地図・ガイド 「中区区民生活マップ」でネット検索して、分割図の5と8をダウンロード。