【第186山】榛名山 1,449メートル(群馬県)山と湖、絶景の連発

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 榛名山は群馬県のほぼ中央部に位置する火山だ。カルデラ火山で、中央火口丘や湖がある点など、基本的なスタイルは箱根によく似ている。スケールは箱根より一回り小さいものの、個々の山がどれも急峻で、ぽこぽこと連立して聳え立つ姿が印象深い。箱根ほどには観光ズレしていないが道路等はよく整備されているので、個々の山を手軽に楽しむことが出来る。ことに榛名湖周辺の山から見下ろす、湖と背後の山のコンビが絵的に実に決まっている。順に紹介しよう。

【掃部ヶ岳】榛名山系の最高峰。山頂は狭いが浅間山や八ヶ岳、奥秩父など関東山地北部、そして関東平野が一望。肝心の湖は9合目付近の見晴らしポイントからバッチリ。コンパクトにまとまり、粋を感じる眺めだ。山麓から往復2時間。

【硯岩】標高は低いが、その分労力が少なくて済む。スリル満点の高度感ある岩の上からの展望は、横に拡がるダイナミックなパノラマ。榛名湖と背後の榛名富士が絶品のコンビで見せてくれる。所用約1時間。

【烏帽子ヶ岳】傍から見ると烏帽子そっくりの急峻なスタイルに驚かされる。ただ登路はさほど急ではない。烏帽子そのままに山頂は緩やかで広く、笹と自然林が良いムード。これで満足せず、南側の笹原に分け入ろう。岩上に出ると、榛名富士と湖が横並びの豪快な展望に圧倒される。この肝心なビューポイントをスルーしてしまう人が多いのでお忘れなく。往復1時間半。

【榛名富士】どう見ても富士山そのもの。俄然登頂欲が湧くが、ゴンドラもあるので観光客が多い。歩いて登る人は奇特なようで、登山道も荒れ気味。山頂からは残念ながら湖は見えない(ゴンドラからは見える)。やはり富士山型の山は、登るよりも見る山なのだと妙に納得。往復2時間。

 登り易い山を個別に紹介したが、時間と体力に余裕があれば各山を順に巡ることを是非にも勧めたい。「湖+山」の組み合わせが、登る毎にダイナミックに変化する様が実に楽しいのである。それはまさに絶景の連発。疲れたら途中でやめればいい。お気楽に充実度満点の山歩きが出来ること、それが榛名登山ならではの醍醐味なのである。

◆おすすめコース

4山を順に回ると所要約6時間:初級向け

※観光のついでなら、どれか1山を選べばよい。