横浜市は先月、『広報よこはま』特別号を商業新聞に折り込みました。読んでみるとフェイクニュースが…。
まずはコロナ対策。その先のIR。
横浜市は5月に組んだコロナ対策の最初の補正予算5743億円を「過去最大」と説明しましたが、大半が10万円給付などの国の施策です。
市独自の財政出動は10億円程度。新市庁舎建設など不要不急の大型公共事業に財政調整基金を使ってしまって「まずはコロナ対策」ができていません。
IRによる市民生活への経済的社会的効果
建設時の経済効果は一時的なもの。IR内の大規模な発注は大量生産・大量消費・大量廃棄で最悪の消費形態。
しかもIR事業者からの納付金等による増収のほとんどはカジノの収益に頼ったものです。地域住民の不幸の上に成り立つ行政運営なんて言語道断。
ウィズコロナ、アフターコロナ時代のIRを将来の横浜のために
コロナ禍により世界中のIRカジノは一時閉鎖され大打撃を受けました。欧米ではカジノのオンライン化が急送に進んでいます。
ポストコロナ時代に大規模集中型の施設が成り立つ見通しはありません。
IR施設の構成
コロナ禍を受けて国際会議などはオンライン化が進んでいます。ワクチンが実用化されても途上国まで普及するには長い年月が必要で、将来に巨大なMICE施設の需要はあるのか疑問です。またIRの施設はカジノを除くとどれも市内の施設で代用できて、その方が地元経済に貢献します。
IR施設の運営やまちづくりに関する提案
1兆円規模の巨大ハコモノ建設により膨大なCO2を排出し、建設後も24時間型の運営で膨大にエネルギー消費するIRが、どうして「スマートシティ・環境負荷軽減」を掲げているのでしょう?
「雇用確保の取組」で強調されているのは非正規雇用の多い「女性、高齢者、障害者」「外国人従業員」です。今年初めのIR産業展に出展していた人材派遣業者は、IRの雇用の8割は外国人技能実習生等で賄えると語りました。
「交通対策」は、みなとみらい線の延伸や水上交通の整備ほか、市の莫大な負担に。お金があるなら生活道路を改善してほしい。
安心安全なIR?
市は「世界最高水準の(カジノ)規制」を強調しますが、日本人は土日祝日すべて入り浸れる7日間に3回(72時間)、28日間に10日で、事実上の規制ナシ。カジノは「延べ床面積の3%」という法律はなく政令であり、内閣が自由に変更できるのです。
「他国の成功事例」を参考とすると言いながら、例に挙げるシンガポールは国内居住者のカジノ利用を厳しく制限し、実際ほとんど外国人専用。横浜IRが想定するカジノ利用者の7~8割は国内居住者で、大きく違います。
そもそも日本の外国人旅行者数の伸び率は、シンガポールを上回っています。IRが観光と関係あるのかどうか…