3・8国際女性デーとは

 20世紀初頭、参政権は男性にしか認められていませんでした。
 帝国の戦争と圧制に抗し、当たり前の社会的権利と政治的解放を求めて立ち上がった女性たち。1910年に国際社会主義婦人会議でクララ・ツェトキンら女性運動家が、3月8日を「平和と女性の政治的自由・平等・権利のために世界の女性たちが連帯して立ち上がる日」とするよう提唱しました。

 この女性解放運動の流れは、1904年にアメリカの女性労働者たちが待遇改善と「婦人参政権」を求めてニューヨークで大規模なデモやストライキを起こしたことが始まりです。

 クララ・ツェトキンらの呼びかけ以降、ヨーロッパでも女性解放運動が急速に広まります。1917年にはロシアで第一次世界大戦の終結を求め、女性労働者を中心としたデモがストライキへと発展し、帝国の崩壊へとつながりました。デモ当日のうちに10万を超える男性を含む労働者が合流し、数日後には15万を超えるストライキに発展。徐々に軍隊までもがニコライ二世に反旗を翻し、ストライキに加わっていきます。この大きな蜂起が二月革命へとつながり、そして十月革命を経てロシア・ソビエト連邦社会主義共和国がつくられました。

 日本では1921年4月に赤瀾会が「私達は私達の兄弟姉妹を窮乏と無知と隷属とに沈淪せしめたる一切の圧制に対して、断乎として宣戦を布告するものであります」との綱領を掲げて結成され、日本の女性解放運動に一石を投じました。そして23年に日本で初めての女性デーが開催されます。

 こうした女性たちの運動が大きなうねりとなり、1975年、ついに国際連合が3月8日を「広く女性の社会参加を呼びかけるための記念日」として正式に制定しました。

 闘う女性たちの意思は時代を超えて今日まで引き継がれ、世界中の女性たちが連帯して、女性の生き方や働き方、尊厳について考え行動する日として広まり、世界各国で様々な運動が取り組まれています。