国際女性デー神奈川県集会が、3月8日、同実行委員会の主催によって開催されました。オンライン集会で、メイン会場と5つのサテライト会場、あらかじめ申し込んで自宅等からパソコンで参加した参加者は合わせて200人を超えました。
資本主義における家族の位置
岡野八代さん(同志社大学大学院教授・政治学)が「ケアと民主主義 女性たちが『黙らされている』ことの意味を考える」と題して講演。自然であるかのように労働を簒奪され、労働者とその他の者のケアを一手に引き受けさせられるのが、資本主義社会における「家族」の位置であることの矛盾がコロナ禍における一斉休校によって浮き彫りになったと指摘。ケアと資本主義の相容れなさに抵抗の可能性を見いだし、ケア関係を中心におく社会、ヴァルネラブルな(=弱い、攻撃されやすい)ひとを第一に考える社会の構想を提示しました。
気候危機に似たケア関係の危機
岡野さんは、気候危機と同様の危機がわたしたちのケア関係に生じていると言い、「自助」には持続可能性がないこと、家族に押し付けられた労働(=ケア)を社会で分担しなければ、その価値を評価していかなければ、その労働配分をめぐる不平等はジェンダーや人種、移民差別を維持し続けることになり、他方で政治は「無責任な特権者」に独占されてしまうと強調しました。言うまでもなく、そうした価値の転倒は、相互に補強しあうことによって、歪みを再生産するものです。
起源は国際社会主義運動
講演の前にはチェンジ・アカデミア、怒りの女デモ、フラワーデモなどの近年の女性解放運動、横浜市従業員労働組合婦人部を含む県内の労働組合女性部、婦人民主クラブや新日本婦人の会をはじめとする女性団体ほか、あわせて14団体・運動体がリレートークをしました。
集会の締めくくりに実行委員会から、「私たちの手で、3月8日を反戦と反資本主義の日に。歴史に拍車をかけていきましょう」という、インターナショナルに起源をもつ女性労働者の国際統一行動日にふさわしい呼びかけが集会の名においてなされました。