教委支部は1月25日、教育委員会事務局へ「図書館職場における健康被害対策に係わる申し入れ」を行いました。昨年9月に地方公務員災害補償基金横浜支部審査会が公務に起因すると認めた図書館司書職員の手指疾患は、図書館全体で繰り返される可能性のある事案です。教委支部は、図書特別整理期間の過密労働の改善策、公務災害発生を防止するための注意喚起の研修、予約の多い図書館の増員、現行の作業にあわせた高さのカウンターの導入ほか、労使協議による環境改善を求めています。以下に掲載するのは、当該の組合員による寄稿文です。
職業病は、第三者である労働基準監督署が認定する労災よりも、事実上雇用主が判断する公災においてさらに認定されにくいことが統計上表れています。
本は取っ手がないため重心でつかめず、平均重量400グラムの単行本をつかむと、数倍もの負荷が指にかかります。判型が大きいほど、重心が遠く、指への負荷も大きくなります。
回送状況がウエブで公開されていたり、蔵書点検日数が3日間しかなかったりで、他館と本をやり取り・並べ替えする連絡車荷さばきや、棚卸である蔵書点検作業が過密になっています。
ウエブ予約がない頃に座って対応できていたなごりで、カウンターは座位の高さのまま。でも、今は座る余裕はなく、しゃがんだり立ったりの連続で、立位のまま前かがみで本をつかんだり引き寄せたり、不自然な格好を繰り返さざるを得ません。
その結果、母指を取り除いてしまいたいほどの激痛が続き、わたしは両母指CM関節症と診断されました。手から親指が抜けかけた亜脱臼となり、無理して炎症し拘縮が起き、大きいはずの母指の可動域が両指とも狭く、図書館カード等固い物がはさみで切れない、取っ手がなく判型の大きい物をつかむことが苦痛です。
本件の場合は、一度公務外とされ審査請求を行いました。当時の同僚たちに陳述書を寄せてもらい、上肢の人間工学が専門の医師や労基署労災医員を経験した医師からの意見書・診断書を提出、書店等での労災等の類似例を「判例」として示し、逆転、公災と認定されました。組合の支部や本部からは、同じ職場だった人たちからの聞き取り、顧問弁護士との相談、様々なアドバイス等のご支援をいただきました。