最低賃金「より早期に全国平均1000円」後押し 自民党議連が中小の直接支援を検討へ

 わたしたち横浜市従業員労働組合が取り組んでいる最低賃金引き上げの運動に、追い風が吹いています。

 4月7日、最低賃金の全国一元化を訴える自民党内の議員連盟(衛藤征士郎会長)は、国会内で10回目の会合を開きました。会合は、「より早期に全国平均千円」を歓迎して後押しする姿勢を示し、社会保険料負担など中小企業への直接支援策を掘り下げて検討していくことも併せて確認しました。

内閣府、厚生労働省担当者が情勢を報告した(4月7日、国会内)

 衛藤会長は菅首相の発言「より早期に全国平均千円」に触れて、「内政の最重要課題が最低賃金の引き上げだ。それは必ずやる。経済の底上げ、構造的な改革への大きな力になる」と述べ、「最賃一元化をしっかりやっていく」とも話しました。

 最賃引き上げに伴う中小企業への支援策について同会長は、「大企業の内部留保は470兆円を超えている。これを中小企業、下請けに回す『共助』ができればいいが、そうした動きはない。韓国は国の公的支援をやってきた。わが国もそこまで踏み込まないといけない」と語りました。

 会合では、最賃引き上げの雇用へのマイナス効果はなく、低額県のDランク地域ほど雇用を増やすプラスの効果があることを示す、内閣府の試算について質疑が交わされました。米国のバイデン政権が掲げた最賃15ドル法案をめぐる動向についても意見を交換しました。

 この日は岩屋毅元防衛相が初参加。自民党内最大派閥の会長で、衆院憲法審査会会長を務める細田博之衆院議員も運営側に座りました。