MAYDAY 労働者の連帯 1886年のシカゴから 働くのは8時間 あとは自由な時間を

コロナ禍 中小企業を支援しよう

 5月1日はメーデー。世界中の労働者が要求実現のために連帯し、行動する日です。

 1886年、低賃金で長時間労働を強いられていた米国の労働者が8時間労働制を求めて立ち上がりました。フランス革命100年を迎えた1889年にパリで開かれた国際労働者大会(事実上の第二インターナショナル発足大会)において、翌年から5月1日に行動に取り組むことが決議され、以降、メーデーが国際社会に広がっていきます。

 日本でも今年で92回目となるメーデーが各地で取り組まれました。新型コロナウイルス感染症をめぐる状況から、神奈川県横浜メーデーはオンラインで開催。我が組合の社会保障部長(保健師)が横浜の保健所の実態と公衆衛生体制の充実をうったえました(下記要旨掲載)。集会終了後には桜木町駅前でスタンディング行動が取り組まれました。

住民のいのち守る労働運動つづける

 新型コロナ感染症の蔓延は、社会の体制の脆弱さを浮き彫りにしました。自治体に働く保健師として、そのことを強く感じています。

 一つには、公衆衛生体制の脆弱さです。1992年には852か所あった保健所を半減させました。横浜においては、18か所の保健所を健康危機管理体制の強化という名目で1保健所18支所体制としました。今回のような大規模感染症を想定していたはずですが、実際今回の対応を振り返ると、混乱する現場を束ねるような統制は見いだせず、18支所バラバラの対応で、統制の悪いところでは、職員は孤立無援の感に悩まされ、疲弊し、休職に入ったり就業制限がかかる職員が少なからずいました。仲間として非常にやり切れない思いを抱えました。

生存権としての公衆衛生

 公衆衛生は、何もないときにはその大切さは気づきにくいですが、私たちの健康な生活を保障するためには不可欠な社会保障として大切な分野です。現場で感じる矛盾や切実な思いを、この間労働組合の活動としても複数回訴え、感染症対応に係る職員へのアンケート等を行ってきました。この4月、各区1名の暫定配置回答を得ることができました。アンケートの結果も活かしながら、「住民のいのちとくらしをまもる」ための体制と機能を維持するための運動を引き続き行っていきたいと思っています。

公務は縮小できない

 もう一つには、公務労働の重要性です。感染症対応だけでなく、第一回目の緊急事態宣言が出され、区役所でも職員の在宅勤務が行われました。しかし、宣言下でも、当然窓口を閉鎖することはできません。当時は臨時給付金の交付に関連して、マイナンバーカードの申請が殺到し、戸籍課の窓口は数時間待ちの混雑が続き、待合も3蜜を避けるどころか普段以上の大混雑の事態でした。税金や年金、国保等コロナの影響による相談が増え、ステイホームの影響によるDVや児童虐待、高齢者虐待通報の増加、認知症高齢者の症状の悪化による緊急相談の増加。収入減や仕事を奪われた方々の増加により、生活困窮の相談も増え続け、業務体制の縮小はできません。公務を恒常的に維持することの重要性があります。

 いま、国は自治体戦略2040として、AI活用等「スマート自治体」をめざしています。しかし、今回のような大規模感染症や災害対策などの対応では、自治体は中心的役割を担います。普段ぎりぎりの体制では、到底対応ができません。