横浜市従業員労働組合も参加する国民春闘共闘委員会は5月20日、国会内で集会を開き、全国一律最低賃金制度の実現を求める署名16万5千筆超を国会議員に手渡しました。主催者は、最賃の課題を総選挙の争点に浮上させようと参加者に呼びかけました。
総選挙の争点に!
署名は昨年より5万筆余り増え、紹介議員は自民党を含む110人に増えました。清岡弘一全労連副議長は「昨年の引き上げ額が1円(加重平均)だったことがコロナ禍の下、さらなる貧困の拡大を引き起こした。今年は総選挙がある。各党の公約に据えるよう働きかけよう」と呼びかけました。
末松義規衆院議員(立憲民主党)は「中小企業支援などに国費を投入し、時給1500円」が党の政策や公約になるよう、働きかけを強めていると述べ、中小企業支援として6年間で約25兆円の国費を投入すれば1500円実現は可能との試算も示しました。吉田統彦衆院議員(立憲民主党)も「(現在、同党が掲げる)時給1300円では足りない。1500円は妥当で、通過点。最低限必要な金額だ」と強調しました。
生協労連の柳恵美子委員長は、署名の紹介議員を増やす取り組みについて報告。国会議員が選挙区に帰った時に地元事務所を訪問し、84人が応じてくれたと話し、「地域から声を大きくすることが重要だ」と語りました。
低額県ほど上がる仕組みを
同日、最低賃金の「全国一元化」を目指す自民党内の議員連盟は、国会内で総会を開き、最低賃金の制度のあり方を政府内で議論していくよう強く要請する決議を確認しました。近く決議を首相に手渡す予定。「引き上げ勧告幅(中央最低賃金審議会の答申)を必ずA地域<B地域<C地域<D地域となるようなルールを確立することが必要」としています。
現行の制度運用ではDやC、Bランクの引き上げ幅の答申が、上位ランクを超えることはありません。最賃行政の見直しを求める内容です。
決議は、英国が昨春、エッセンシャルワーカーを支えるために最賃を大幅に引き上げたことに言及。「コロナ後の社会の構造変化を見越した政策転換の一環」として、制度見直しへの着手を求めています。
議員連盟の衛藤会長は、児童虐待が年間10万件を超える背景に貧困化もあるのではないかと述べ、「最賃引き上げに向けたロードマップをつくるよう求めていく」と政府に働きかけていく考えを語りました。