カジノ反対の市長を誕生させる横浜市民の会は7月1日、各区関係者会議を開催し、「会発足の出発点である『カジノIR誘致撤回、住民自治を取り戻す』方向と山中竹春氏の姿勢が合致することを確認し、市民と野党の共同のもとに市長選挙の勝利をめざすことができ得る候補者として支持することを前提に、政策協定等の協議に入る」ことを確認しました。6月28日には、「会」は次のとおり「小此木八郎氏のIR誘致『取りやめ』表明について」を発表していました。
小此木八郎氏のIR誘致「取りやめ」表明について
6月25日、小此木八郎氏が閣僚を辞任し、8月22日投開票で実施される横浜市長選挙に立候補を正式に表明するとともに、カジノIRの横浜誘致について「取りやめる」との考えを表明したことが報じられました。
カジノIRを経済政策の目玉と位置付け、多くの国民の反対の声にも耳を貸さず推進してきた自民・公明政権の一員として、国家公安委員長も務めていた小此木氏の表明を、驚きをもって受け止めています。同時に小此木氏の表明は、40年ぶりの直接請求に結実した住民投票直接請求運動と、条例案否決後もあきらめることなく続けられているカジノIR誘致阻止をめざす私たちの運動と市民世論が追い詰めた結果として、確信を深めるものであり、また、カジノIR政策の破綻を示すものと言えます。
しかし、林現市長がそれまでカジノIRを横浜経済に不可欠と誘致に前のめり姿勢を続けながら、2017年市長選挙前ににわかに「白紙」を表明し、その2年後には再び誘致推進へと姿勢を変えたことを想起すれば、選挙の時だけ民意を推しはかるようなごまかしを許してはなりませんし、1月の臨時市会で「軽々に市民に判断を委ねる問題ではない」と民意を問うことさえ否定し、住民自治の原理を踏みにじった自民・公明の態度を決して忘れるわけにはいきません。
小此木氏自身、刑法が禁じる賭博解禁に道を開いたIR推進法にも、IR整備法にも賛成しており、IR整備は「所要の手続きを着実に進める」とした「骨太方針2021」にも6月18日の閣議決定に加わっています。報道によれば「IR自体は反対ではない」ということや「新型コロナ過で環境が整ってない」といった言動も報じられており、将来、カジノIR横浜誘致が復活する危惧を禁じえません。
多くの国民、横浜市民がカジノIRに反対や不安を強めている根本は、刑法が禁じる賭博を解禁し、社会や市民生活に否定的影響を及ぼすことが明瞭だからであり、私たちは、将来にわたって、横浜へのカジノIR誘致を断じて許さない強い決意を持った掛け値なしの「カジノ反対の市長」を誕生させるために全力をあげます。同時に、横浜から「カジノは日本のどこにもいらない」の世論と運動が一層広がり、横浜市長選挙に続く総選挙で、IR廃止法案を提出している野党が国会の多数を占め、賭博解禁を阻止する展望を切り開くために運動を進める決意です。