横浜市従業員労働組合は7月30日、第75回定期大会を開催しました。新型感染症の拡大を受けて、今年も来賓は招かず開催時間を短縮し、会場を分散してソーシャルディスタンスを確保しました。政村修中央執行委員長のあいさつのあと、一般経過報告、決算報告、会計監査報告、運動方針および予算の提案がおこなわれ、一括質疑討論で代議員の発言を受けて、委員長が答弁。運動方針と予算は、賛成多数で原案どおり決定されました。政村修委員長が委員長を退き、水野博中央執行委員長ほか、あたらしい執行体制が確立されました。
コロナ禍でも仲間を孤立させない-委員長あいさつ(要旨)
代議員、中央委員のみなさん、感染症対策の長期化に伴い多忙な中、ご参集いただき感謝を申し上げます。皆さんを送り出していただいたすべての職場・組合員に敬意と感謝を申し上げます。
昨年に続いて、感染症対策の異例の形態のもとでも、「最高の議決機関」に相応しく運動の総括と新たな方針を確立できるよう代議員にご協力をお願いします。
感染症は、五輪の強行開催と相まって深刻な事態に至っています。政府は、科学的知見を無視・軽視し、場当たり的な対応で混乱を繰り返し、十分な補償もない強権的な姿勢をちらつかせて「自粛」を強要し、命よりも政治的な思惑や経済活動を優先しています。根底に「自助」「自己責任」論、憲法理念からの乖離、徹底した憲法の軽視があることを指摘せねばなりません。
世界は新自由主義から脱却する社会の模索を始めている
パンデミックは、20世紀終わりから台頭した新自由主義が、いかに社会を脆弱にしたかを浮き彫りにしました。今、世界的に新しい社会をめぐる模索が始まっています。バイデン米大統領の民主党進歩派の政策を反映した動きは象徴的です。要求の社会的な大義を理解し、コロナ後の社会の在り方と結びつけて運動を発展させることが重要です。
この間、私たちは、長期にわたり、様々な困難や不安に直面してきました。労働運動の根幹とも言うべき「みんなで集まる」ことが困難な中でも、団結を維持し、組合員の安全の確保を図り、市民生活を支える勤務環境を確立する立場で、対応してきました。後退を余儀なくされた課題もありましたが、会計年度任用職員の休暇制度改善など粘り強い運動で前進を獲得しました。コロナ禍の制約を乗り越えて、闘いを進めましょう。
憲法と自治が息づく市政へ
職場要求と市民的要求を統一して追求する運動は、カジノの是非を問う住民投票直接請求運動で新たな歴史のページを刻みました。多くの組合員に協力をいただき、運動全体にも重要な役割を果たしました。この運動が発展的に継承され、山中竹春前市大医学部教授の擁立へと結びつきました。
市長選挙には現時点で9名が立候補を表明し、7名はカジノ「反対」を表明しています。驚くべきことにカジノを閣僚として推進した小此木氏や、法案に賛成した松沢氏までもが「取りやめ」「絶対阻止」と主張し始めています。こうした状況をつくり出したのが住民投票直接請求運動であり、運動がカジノ推進派を追い詰めていると言えるのではないでしょうか。
市長選の勝利は、憲法と地方自治が息づく働きがいのある市政への展望を切り開くことになります。首相のおひざ元で市民と野党の共同で勝利を勝ち取ることは、秋の総選挙での新しい政治への転換と労働者・国民の要求実現の展望を大きく切り開くことにつながる意義を持っています。職場から政治的な論議を巻き起こし、市政を変え、要求実現の展望を切り開きましょう。
連帯を大切にした職場活動をつくり上げよう
26日に「黒い雨訴訟」の上告断念を首相が表明しました。5月には建設アスベスト裁判最高裁判決を受け、合意が締結されました。少人数学級も一歩前進しました。過去最高の最低賃金引き上げの目安も示させました。雇用調整助成金の特例措置と継続も実現しました。中学校給食も、大きな問題は持ちつつも、法にもとづく「給食」に位置づけるところまできました。不断の積み重ねで社会的な世論へと発展させる、私たちの運動の普遍性を示しています。
不断の運動を発展させる土台として、職場を基礎にした強く大きな団結をつくり上げましょう。コロナ禍のもとでも一人一人の仲間を孤立させない連帯を大切にした職場の活動をつくり上げましょう。