各支部役員・組合員のみなさんの奮闘に感謝し、市民と野党との共同をさらに発展させ、職場要求の実現とともに市民本位の市政を実現させる運動に引き続き全力をあげます
1、 8月22日投開票で行われた横浜市長選挙にあたって、横浜市従は「横浜をコロナとカジノから守る会」から立候補した市民と野党の共同候補、山中竹春氏を「支持」し、カジノ誘致の是非を決める住民投票直接請求運動を継承した「カジノ反対の市長を誕生させる横浜市民の会(以下、市民の会)」の中心的な役割を担いながら運動を進めてきました。
また、今回の市長選挙を菅・自公政権と財界に支えられた横浜市政を市民の手に取り戻すとともに、市民と野党の共闘を継続・発展させ、菅政権の悪政を阻止し政治の転換に結びつける闘いとして、職場要求実現とカジノ誘致撤回、住民自治の回復など市民的大義のもとに、各支部役員・組合員をはじめ、多くの市役所職員の協力をいただき取り組みを進めてきました。
2、 選挙結果は山中氏が506,392票(得票率33.59%)、小此木氏が325,947票(同21.62%)、林氏が196,926票(同13.06%)、田中氏が194,713票(同12.92%)、松沢氏が162,206票(同10.76%)、福田氏が62,455票(同4.14%)、太田氏が39,802票(同2.64%)、坪倉氏が19,113票(同1.27%)の結果となり、8人もの候補者が乱立し、投票率が49.05%で前回選挙から11ポイント上回る大激戦を山中氏が制し勝利を勝ち取りました。
この間、組合員・職員の要求の前進、市民のくらしの願いを実現できる市政をめざして、様々な取り組みを進めていただいた各支部役員・組合員のみなさんに心から感謝を申し上げるものです。
3、 選挙にあたって、横浜市従は昨年の定期大会で決定した方針に基づき、「市民本位の市政を実現したいと願うすべての団体・個人と共同した選挙」をめざし、運動を進めてきました。とりわけ、2019年8月22日の林市長の突然のカジノ誘致の表明、推進の強行に対し集まった193,193筆もの市民の意思を蔑ろにする、住民投票条例案の市会での否決を受けて、住民投票直接請求運動を継承し、「カジノ誘致撤回」「住民自治を取り戻す」との思いを託せる候補と、市民と野党の共同の運動で市長選挙を闘うことを重視し、「市民の会」として努力を積み重ねました。
その結果、元横浜市立大学医学部教授である山中氏が立候補し、政党では立憲民主党が推薦、共産党、社民党、緑の党、新社会党が支援、横浜港ハーバーリゾート協会や市民団体が支持、労働組合はナショナルセンターを超えて支援を決定し、今までにない幅広い枠組みができました。多様な考えを持つ幅広い市民と野党との共同をすすめることは、様々な困難もありましたが、林市政を転換したいとの一致点を大切に、力を合わせて闘うことが勝利につながる確信となるものです。
4、 今回の選挙では、山中氏を含め8人が立候補し、そのうち6人がカジノ誘致に否定的な態度を表明しました。とりわけ、閣僚としてカジノ誘致を推進してきた自民・公明が事実上支援した候補が「IR誘致取りやめ」とともに「市民の声を聞く市政」まで表明しました。このことは、市従が中心的役割を担いながら市民と野党の共同で進めてきた住民投票直接請求運動によって、カジノ誘致反対の世論を広げ、市長選挙の争点としてきた成果です。また、自民が自主投票を決め、小此木氏を支援、一部市議が林市長を支援する「分裂選挙」とさせたことも運動の成果です。さらには、市民と野党の共同の候補が、菅首相が全力で支援するとした候補に得票率12ポイントもの大差をつけて勝利したことは、菅政権に大きな打撃を与え、秋の総選挙で国民生活優先の政治への転換が展望できる情勢をつくりました。
5、 山中氏が訴えた「カジノ誘致断固反対、即時撤回」「データと科学的知見に基づくコロナ対策」「中学校給食の全員実施」「中学3年生までの医療費無料化」などの政策は、コロナ感染拡大に対し、科学的知見を軽視し、自助努力と場当たり的対応に終始する菅政権に対する対抗軸であり、市民の声に真摯に向き合った政策です。また、市従が市民団体とともに実現を求めてきた要求であり、林市政を転換させ市民本位の市政を実現する政策となり得ます。同時に「市政のデジタル化」など懸念をすべき政策があることも事実です。
横浜市従は、山中氏の職場要求・市民要求の実現につながる政策に対しては、これを支え促進する運動を進めます。一方で、市長は使用者であり、いかなる政治的立場であれ、迎合も屈服もしない立場で、不一致があれば今後の運動を通じて要求実現を求めていきます。
市民と野党の共同の運動による市長選挙勝利を確信にし、引き続き職場の要求にもとづく団結を基礎に労働条件の維持・改善と市民本位の市政の実現をめざし、市民と野党の共同の運動のさらなる前進に全力で取り組む決意を表明するものです。
2021年8月24日
横浜市従業員労働組合中央執行委員会