横浜市従業員労働組合の加盟する全労連などの国民春闘共闘委員会は4月14日、都内で会見を開きました。看護師や保育士など「ケア労働者」の賃上げ状況を報告しました。政府肝いりの賃上げ補助金制度について、「長期的な処遇改善につながらない」と指摘。明確な制度設計と財源確保を求めています。
看護師や介護士、保育士、学童保育指導員などを組織する医労連(日本医療労働組合連合会)、福保労(全国福祉保育労働組合)、建交労(全日本建設交運一般労働組合)では、春闘でケア労働者の賃上げ回答を引き出した組合が386組合(43・3%)ありました。回答を引き出した職種別の比率は、看護師16・2%(医労連)、介護士50・3%(医労連)、保育士91・3%(福保労)、学童保育指導員74・5%(建交労)です。看護師の低さが際立っています。補助金の対象が、救急搬送を年間200件以上受け入れる大病院に限定されたことが要因で、政府がアピールした4千円賃上げに届いていません。
政府は「補助金の3分の2はベースアップ等で」と掲げていましたが、基本給の改善は乏しく、いつでも下げられる手当による支給が82・6%と圧倒的に多くなっています。
黒澤事務局長は「対象範囲や、短すぎる申請期間、10月以降の財源の見通しが不透明なことなど、経営者に『中途半端な制度』と受け止められた」と振り返りました。
国民春闘共闘のケアアクションは、10月以降の制度設計の提示と財源確保を求めています。