10月14日、組合は、自治労連(日本自治体労働組合総連合)が呼びかけた現業統一闘争、非正規雇用・公務公共関係労働者統一闘争の全国統一行動として、秋季年末闘争の第一波退庁時決起集会を開催しました。現業統一要求の交渉と賃金確定・一時金交渉についての情勢共有と意思統一を図りました。参加者は、職場組合員の団結した力で住民福祉の増進と職場要求実現を結合して進めていく決意を固め合いました。
行政の責務を明確に
現業統一要求の交渉は、8月22日の団体交渉における要求書提出を皮切りに、9月21日に1次回答、10月18日の団体交渉で最終回答が示されました。
今年も8月22日の団体交渉で組合は、総務局より「依然として様々な課題があるとも認識している」との付帯はありながら、総合的判断の結果として、技能職採用試験を実施する旨の回答を引き出しました。
けれども、1次回答では、直営業務の拡充と強化を求める組合に対し、「持続可能な市政を実現していくためには、歳出改革を進めることが必要」という、公共をスケールダウンする方針を示したうえで、安易な民営化・民間委託化に歯止めがかからない考えを示しました。人事課が例年くり返す回答、「最小のコストで最大の効果を得られる行政運営をより一層追及することが不可欠」です。
組合は、公共の役割と責務の指標をもたないコスト論は、市民生活に責任を負う現場の立場では認められない、との主張を崩さず、山場交渉に臨みました。
市当局「市民サービスの水準を低下させない」
10月17日、当局から、持続可能な市政運営を実現していくため、抽象的な「歳出改革」ではなく「全事業で効果を定量的に分析して検証し、効率的・効果的な行政運営を一層追及することが不可欠」で、したがって「事業の緊急度・優先度を明確にしながら、行政の果たすべき責務と役割を明確にした上で、市民サービスの水準を低下させることなく、常に点検・検証し、更なる業務の効率性について検討していく必要がある」との考えが示されました。組合は、日付が変わろうとしていく頃、概ね要求を満たす回答水準に達していると判断し、現業評議会幹事会の確認も経て、山場交渉を終えました。
翌10月18日、団体交渉で総務局長より、前日示した内容を「最終回答として理解いただきたい」、「一部項目については、引き続き話し合いたい」との態度が示されました。
組合は、水野博中央執行委員長より「引き続き協議すべき課題はあるが、労使協議に基づき、職場事情を踏まえた対応を求め」ることを申し入れて、最終回答として持ち帰りました。
コロナ禍で公務公共のあり方が問われている(現業部長のはなし)
現業統一闘争は、毎年、当局交渉で同じようなやりとりをするほかなくなっています。
わたしたちの譲れない要求があり、もう一方に、財界・政府の意を汲くんで執拗に持ち込まれてきている公共の能力を弱体化させる施策があるために、激しく綱を引き合っているためです。
最終回答の意義は、これを拠り所にして、安価さだけを測定基準にした公共の再編を許さないたたかいへとつないでいくことで、高まります。行政の果たすべき責務と役割を明確にする、市民サービスの水準を低下させない、ということの中に、現業職場を拡充して公共の力を再生していくことが内包されるように、あらためて職場のたたかいが重要になっています。
局―支部間の交渉に引き継がれる課題もありますが、事業の緊急度・優先度を明確にするということについても、職場発の旺盛な論議が望まれます。市民にとって何が優先されるべき生活課題・社会課題なのか。近年よく耳にするようになった「エッセンシャルワーカー」としてのわたしたちの尊厳を守ることと一体で不可分のたたかいを展開していきましょう。
なんといっても技能職の魅力は市民に姿の見えるところで、市民のくらしを支えているところにあります。労働組合に集い、技能を研鑽する現業労働者の隊列を乱さず、徹底して統一を守り団結することで課題を解決しましょう。