(2024年1月23日の中央執行委員会が発した声明です)
横浜ノース・ドックへの配備が進む米陸軍揚陸艇部隊について、2月8日に運用を開始することが今月17日、明らかになりました。報道によれば、米側から連絡を受けた防衛省南関東防衛局の幹部が、横浜市役所を訪れ資料を手渡しました。米側は年内に約280人全員の配置を終えるとしており、南西諸島などに展開するとみられています。
市はより具体的な情報を求めてきましたが、米軍は昨年4月に幹部隊員を5人程度配置したのち、状況を明らかにしてきませんでした。山中竹春市長は米軍の動きを受け、「市民の安全につなげていくためにはさらなる情報が必要」等、コメントを発表し、引き続き、ノース・ドックの早期全面返還に取り組む姿勢を示しました。
昨年1月17日の中央執行委員会声明で明らかにしているとおり、部隊の配備を含む、日米の外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)の合意は、米国の中国を念頭に置いた軍事戦略に日本を組み込み、日米の軍事一体化を一層進めようとするものです。市民要求に基づく都市づくりとしてなされたものではなく、市内用地利用の大きな妨げとなっていることも容認できません。
ところでこのほど、米軍は英軍とともに今月11日、イエメンへの空爆を開始しました。戦艦から発射したトマホーク巡航ミサイルと戦闘機によって、イエメンの首都サヌアや、紅海に面したフダイダ港など12か所以上を攻撃したことを米当局が発表したと報道されています。米英は12日、両軍によるイエメンへの攻撃を協議する安保理の緊急公開会合が開かれると、民間船舶をフーシ派の攻撃から守るための「国際法にのっとった自衛権の行使」と説明しています。
国連安全保障理事会はたしかに10日、イエメンの武装勢力、フーシ派による紅海での船舶への攻撃を非難する日本と米国が提出した決議を11か国の賛成(4か国は棄権)で採択しています。決議の中で、船舶の航行権と自由を損なう攻撃に対して国連加盟国は自国の船を防衛する権利があることに留意するとしていました。さりとて翌日直ちに国境を越えて軍隊を送り他国を空爆し、国際法を持ち出して軍事行動を正当化する試みは、暴論というほかありません。
国連憲章においては武力不行使が原則です。安保理におけるパレスチナへのイスラエルによる空爆を制限する法的効力ある決議の採択を妨害しておきながら、一方では自由や人権、国際法を守るという名目で武力行使をためらわない、この間の両国の対応は、むしろ国際秩序を危うくするものです。このことひとつを見ても、国連さえも自らの商業的権益確保の道具の一つとする米国の強欲さは明白です。
米国との軍事的一体化については、平和と安定に資するものではなく、地域に緊張と軍拡競争をもたらすことをここでもまた指摘するとともに、再び日本が東アジアの加害国に名を連ねる危険な動きとして厳しく批判しておかねばなりません。
横浜市従業員労働組合は、「日本の完全独立と世界の恒久平和の実現」を綱領に掲げる労働組合として、あらためてノース・ドックの基地機能強化に反対し、市民共同の運動に合流して米軍基地の全面返還を求めることを表明するものです。
2024年1月23日
横浜市従業員労働組合 中央執行委員会